『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)新装版 (新潮文庫)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)新装版 (新潮文庫)

9月の末にジェイ・ルービンさんが村上春樹との出会いの書として本書を「非常におもしろかった」と語っておみえでしたが、本日、やっと読み終えた私も全く同感です。
http://d.hatena.ne.jp/yasu-san/20131001/
私の村上初体験の『海辺のカフカ』と比べても、ルービンさんの言われていた「ユーモア」に関してはこちらの方が上だと思いました(特に、太った娘との金のイヤリングを巡る会話や小便についての独白など秀逸)。
http://d.hatena.ne.jp/yasu-san/20110824
印象に残ったのは「ハードボイルド・ワンダーランド」では主人公の私が今の世界を去るに当たって日比谷公園で別れを惜しむ最終章(第39章)、「世界の終り」では脱出を巡っての僕と影との対話の箇所(第32章)です。
カフカ』でもMDが出てきて、あれっ、と思ったのですが、今回は「マクドナルドのコーヒーの値段覚えてないでしょう?」に応えて「マクドナルドのコーヒーなんか飲まない」「あんなもの金の無駄ですよ」と言われて、ドキッ(第31章)。最近、私は毎朝、出勤途上で飲んでいるものですから。
しかし1985年6月当時よりは(その当時、私自身は飲んだことがありませんが)多少は美味しくなっているのではないのでしょうか(値段の方は安くなって現在100円ですね)。

なお、本作にて村上春樹ワールドとは暫しのお別れ、とするつもり。
旧作ではあと『羊をめぐる冒険』が気にはなりますが、それでもこれで一応の区切りとすることといたします。
http://d.hatena.ne.jp/yasu-san/20131102
http://d.hatena.ne.jp/yasu-san/20130601
http://d.hatena.ne.jp/yasu-san/20130508
http://d.hatena.ne.jp/yasu-san/20120425
http://d.hatena.ne.jp/yasu-san/20110824