かくも単純なことで、人生はかくも美しく輝く

もし僕らのことばがウィスキーであったなら

もし僕らのことばがウィスキーであったなら

 レストランで生牡蠣の皿といっしょにダブルのシングル・モルトを注文し、殻の中の牡蠣にとくとくと垂らし、そのまま口に運ぶ。うーん。いや、これがたまらなくうまい。牡蠣の潮くささと、アイラ・ウィスキーのあの個性的な、海霧のような煙っぽさが、口の中でとろりと和合するのだ。どちらが寄るでもなく、どちらが受けるのでもなく、そう、まるで伝説のトリスタンとイゾルデのように。それから僕は、殻の中に残った汁とウィスキーの混じったものを、ぐいと飲む。それを儀式のように、6回繰り返す。至福である。
 人生とはかくも単純なことで、かくも美しく輝くものなのだ。

村上さんの本に教えられた生牡蠣の食べ方を(Smokey なアイラ・ウィスキーでなく Glenlivet 12 year old と Glenkinchie 12 year old で軽めに、でしたが)真似てみました。いやー、本当に美味かったですね。
息子からは「大人の食べ方だねぇ」なんて言われちゃいました。

Scottish Oysters from the West Coast
On Crushed Ice, Served Around Shallot and Red Wine Vinaigrette, Lemon and Tabasco


12 Oysters for £15.50

http://www.musselandsteakbar.com/wp-content/uploads/2014/06/Summer-2014-Dinner-Menu1.pdf

http://www.musselandsteakbar.com/jeffery-street/