- 作者: 遠藤乾
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2013/04/24
- メディア: 単行本
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連邦国家を目標とする「統合」の物語は終わった.けれども,どっこいEUは生きている.このことをどう考えたらよいのだろうか.EUの形成過程やその内的なダイナミズムの分析,統合の思想的検討などを通じて,ヨーロッパ統合のもつ豊かな含意を引き出していく.気鋭の国際政治学者がEUの実像と論理に迫る意欲作.
目次
まえがき
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/0/0258990.html
第1章 ヨーロッパ統合の政治学――EUの実像と世界秩序の行方
第Ⅰ部 EUの歴史的形成――統合リーダーシップのドラマツルギー
第2章 ジャン・モネ――「ヨーロッパの父」は何を創ったのか
第3章 ジャック・ドロール――中興の祖はどう動いたのか
第4章 マーガレット・サッチャー――劇場化するヨーロッパ
第Ⅱ部 ポスト統合を生きるEU――冷戦,拡大,憲法
第5章 鏡としてのヨーロッパ統合――「地域」の作り方と安全保障,経済統合,人権規範
第6章 拡大ヨーロッパの政治的ダイナミズム――「EU-NATO-CE体制」の終焉
第7章 統合の終焉か――フランス・オランダによる欧州憲法条約否決は何を意味する
第Ⅲ部 危機の下のEU/ユーロ――正統性,機能主義,デモクラシー
第8章 ポスト・ナショナリズムにおける正統化の諸問題――国家を超えたデモクラシーは可能か
第9章 ユーロ危機の本質――EUの正統性問題からグローバルな「政治」危機へ
第Ⅳ部 国際政治思想としてのEU――世界秩序における主権,自由,学知
第10章 ようこそ「多元にして可分な政治体」へ――EUにおける主権と補完性
第11章 国際政治における自由――EUシティズンシップの問いかけ
第12章 日本におけるEU研究の可能性――方法論的ナショナリズムを超えて
注
初出一覧
あとがき
人名索引・事項索引
いつも不敵な笑みを浮かべているギリシャの首相に相当ひっかき回されましたが、EU首脳連は、最後は筋を通せるのでしょうか?
やはり無理筋だった通貨統合では、ギリシヤのようなメンバーをそのままにはできないでしょう。
「どっこいEUは生きている」「ヨーロッパ統合のもつ豊かな含意」というのも、これで相当怪しくなってしまうのではないでしょうか?
http://www.theguardian.com/world/2015/jul/11/greece-euro-exit-bailout-alexis-tsipras
結局、EU summit は延期になった模様です。
Greece debt crisis: EU summit cancelled as talks continue
http://www.bbc.com/news/world-europe-33497353