パノラマ島奇談

江戸川乱歩「パノラマ島奇談」全20回
朗読 : 井上倫宏
テキスト :春陽文庫(2015年発行版)「江戸川乱歩文庫 パノラマ島奇談」を中心に紹介。

「パノラマ島奇談」、1928年(昭和3年)に発表された乱歩の中篇小説。大仕掛けな犯罪を犯人の側から描いたミステリー作品で、謎解きよりも主人公の夢の実現と挫折を表現している。
三文文士・人見広介は、貧乏暮らしを続けながらも、彼自身の理想郷建設を熱望する夢想家。ある日、大学時代の同級生で今では地方の大富豪の菰田源三郎の死を知る。人見と菰田は見分けがつかないほど双子のように瓜二つであった。人見は、菰田の墓所を暴き、甦ったかのように源三郎に成りすまし、“奇跡の生還者”として菰田家に入り込み主人となる。やがて、広介は生涯の夢の理想郷を建設すべく所有する沖の小島に壮大なユートピア計画を実現しようとするが・・・。
初出 「新青年」1926年(大正15年10月)〜1927年(昭和2年4月)の連載

江戸川乱歩
1894年(明治27年三重県生まれ。早稲田大卒後、会社勤め、古本屋を営む傍ら探偵小説を執筆。1923年。「二銭銅貨」で雑誌「新青年」に登場。我が国、探偵小説草創期の牽引役となる。以後亡くなるまで、執筆活動に励み、日本のミステリー作品の指導者としてもその発展に尽くした。1965年(昭和40年)没。
著書に「盲獣」「妖虫」「人間豹」「怪人二十面相」「悪人志願」「幻影城」など。
http://www4.nhk.or.jp/roudoku/315/

江戸川乱歩短編作品集
http://d.hatena.ne.jp/yasu-san/20160123