椿姫でオペラ事始

今年1月のロンドン旅行関連でもう一つ。今回の旅行で、晴れてロイヤルオペラハウスで、本物のオペラを初めて鑑賞することができました。その感動を当時の日記から抜粋しておきたいと思います。

1月14日(月)午後7時、オペラの殿堂、コベントガーデンのロイヤルオペラハウスで「椿姫」の初日を観ました。
今、世界で人気No.1と言われるアンナ・ネトレプコの椿姫ですから、大変な期待感が会場内に漂っています。チケットは当然ソールドアウトなのですが、それでも何とか当日券を手に入れようと大勢の人が並んでいます。
私も「いよいよ本場のオペラ初体験か。ちゃんと準備はしてきたつもりだ。」と幕が上がるのを待つべく急いで自分の席に向かいました。
しかし、ここに大きな誤算がありました。オペラグラスなるものを持っていないので会場で借りようと思っていたのですが、係に尋ねると紙製の「オモチャ」のようなものしかなく、これを£2で買わされましたが、これが本当にオモチャで、私の£31の席からは、これで覗いてもネトレプコの顔が全く判別できませんでした。
「準備」というのは、ロンドンに来る前に、ここROHで1994年に上演された「椿姫」のDVDをこの正月に観て予習してきたことを指します。今回のオペラはこの時と同じ演出、セットであったため、ネトレプコの歌を聴いていても、その顔がDVDのゲオルギューに観えてしまうのでした。これはいかにも残念でした。

ヴェルディ:歌劇《椿姫》 [DVD]

ヴェルディ:歌劇《椿姫》 [DVD]

並んで一緒に観たO君は立派なオペラグラスを抱えて「ネトレプコは素晴らしい」と最大級の賛辞。初心者ながら、私には第1幕の「乾杯の歌」など、どうもテンポが遅いように思えたのですが。
帰り道、再び話していて、やはり初日のせいか声が出ていなかった、ゲオルギューに軍配が上がるのではないか、と二人の意見が一致しました。
幕間に会場ロビーで軽食を摂ったのですが、引きずるようなロングドレスの女性など正装した大勢の人たちを見ていると、本当に別世界。スーツとネクタイを日本から持ってきて良かったとつくづく思いました。
いずれにしても、今回の旅行の大きなトピックであるROH体験は無事に終了いたしました。
なお、ゲオルギューのDVDを正月に観たと書きましたが、この時の感想は次のとおり。
ロンドン・ロイヤルオペラで1994年12月に上演された舞台をBBCで放映した番組を収録したこのDVDで、初めてオペラ「椿姫(原題 La traviata「道を誤った女」)」を観ました。
アンジェラ・ゲオルギュー(DVDの写真はそうでもないのですが、ちょっとジュリア・ロバーツに似ている、と思いました)のヴィオレッタ、良かったです、素晴らしかった。最後の場面のヴィオレッタの余りのやつれように同情して思わず涙が出てしまったほどです。

この時の彼女はまだ無名で、ヴィオレッタ役には大抜擢だったとか。
なお、ジュリア・ロバーツといえば1990年の映画「プリティ・ウーマン」ですが、実はこの映画にはうれしいことに「椿姫」の場面が出ていたりして、ちゃんと関係があるのです。
さて、最近(2007年5月)のゲオルギューの様子は写真のとおりで貫禄十分です(写真はmixi ロンドンの椿姫さんのブログから)。ロンドンの椿姫さんの言によれば「(崩れる前の)女盛りの魅力がいっぱい」だとか。

http://ameblo.jp/peraperaopera/entry-10033164818.html
次は、テレサ・ストラータスの「椿姫」を観たいものだと思い、以来、DVDの再発を切望しておりましたが、残念ながら今日まで入手することはできませんでした。
《ラ・トラヴィアータ》-椿姫- [DVD]

《ラ・トラヴィアータ》-椿姫- [DVD]


結局、英語の字幕があれば何とかなるかと思い、輸入版を入手しました。
ヴィオレッタ:テレサ・ストラータス(ソプラノ)
アルフレードプラシド・ドミンゴテノール
メトロポリタン歌劇場管弦楽団&合唱団
ジェイムズ・レヴァイン(指揮)
監督・脚本・美術:フランコ・ゼッフィレッリ
制作:1982年
La Traviata [DVD] [Import]

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http://www.hmv.co.jp/Product/detail.asp?sku=2592167

1.前奏曲
2.第1幕 導入部「招待の時がとっくに過ぎた」(合唱、ヴィオレッタ、フローラ、侯爵、男爵、医師、ガストーネ、アルフレード)
3.第1幕 乾杯の歌「酒を酌もう、美しい人が」(アルフレード、一同、ヴィオレッタ)
4.第1幕 ワルツと二重唱「あれはなに?」(一同、ヴィオレッタ、アルフレード)
5.第1幕 ワルツと二重唱「幸せなある日、天使のように」(アルフレードヴィオレッタ)
6.第1幕 ワルツと二重唱「いいのかね? これはこれはご両人」(ガストーネ、ヴィオレッタ、アルフレード)
7.第1幕 導入部の終結部「空に夜明けがよみがえる」(一同)
8.第1幕 シェーナとアリア-フィナーレ「不思議だわ!-ああ、たぶんあの方だわ!〔ああ、そはかの人か〕(ヴィオレッタ)
9.第1幕 シェーナとアリア-フィナーレ「ばか!それこそはかないたわごと!-いつも自由で」〔花から花へ〕(ヴィオレッタ、アルフレード)


10.第2幕 第1場 シェーナとアリア「あの人のそばを離れて歓びはない-わたしのたぎるこころの」(アルフレード)
11.第2幕 シェーナとアリア「アンニーナ、どこへいってきた?-ああ、残念な」(アルフレード、アンニーナ)
12.第2幕 シェーナと二重唱「アルフレードは?」/「パリへたった今お立ちでした」(ヴィオレッタ、アンニーナ、ジェルモン)
13.第2幕 シェーナと二重唱「天使のように清純な娘を」(ジェルモン、ヴィオレッタ)
14.第2幕 シェーナと二重唱「どんなにひたむきなはてしない愛情が」(ヴィオレッタ、ジェルモン)
15.第2幕 シェーナと二重唱「いつか、時の流れに」(ジェルモン、ヴィオレッタ)
16.第2幕 シェーナと二重唱「美しく清純なお嬢さんにお伝え下さい」(ヴィオレッタ、ジェルモン)
17.第2幕 シェーナと二重唱「お指図下さい」/「愛していないとあれに言って下さい」(ヴィオレッタ、ジェルモン)
18.第2幕 シェーナ「神さま、お力をお授け下さい!」(ヴィオレッタ、アンニーナ)
19.第2幕 シェーナ「なにをしていたの?」/「なんにも」(アルフレードヴィオレッタ)
20.第2幕 シェーナとアリア「ああ、あの心は私の愛だけで生きているのだ!」(アルフレード、ジュゼッペ、使いの者、ジェルモン)
21.第2幕 シェーナとアリア「プロヴァンスの海と土地」(ジェルモン)
22.第2幕 シェーナとアリア「父の愛情に応えてはくれないのか?-いや、小言なぞ耳には入るまい」(ジェルモン、アルフレード)
23.第2幕 第2場 フィナーレII「仮装の楽しい夜を」(フローラ、侯爵、医師、一同)
24.第2幕 フィナーレII「あたしたちははるばると訪れた」(合唱、フローラ、侯爵、一同)
25.第2幕 フィナーレII「おれたちはマドリードのマタドール」(ガストーネ、合唱、フローラ、医師、侯爵)
26.第2幕 フィナーレII「アルフレード!君は!」(一同、アルフレードヴィオレッタ、男爵)
27.第2幕 フィナーレII「ここまで後について来ておさそいしたけど」(ヴィオレッタ、アルフレード、一同)
28.第2幕 フィナーレII「この女はわたしのために」(アルフレード、一同)
29.第2幕 フィナーレII「侮蔑そのものに値するのだ」(ジェルモン、アルフレード、フローラ、ガストーネ、医師、侯爵、合唱、男爵)
30.第2幕 フィナーレII「アルフレードアルフレード、この心の愛のすべてがあなたにはわからないのよ」(ヴィオレッタ、フローラ、ガストーネ、医師、侯爵、合唱、アルフレード、男爵、ジェルモン


31.第3幕 前奏曲
32.第3幕 シェーナとアリア「アンニーナ?」/「なんでございます?」(ヴィオレッタ、アンニーナ、医師)
33.第3幕 シェーナとアリア「あなたは約束を守って下さった-あの人を待ってるの、待ってるの、もう誰も来てくれない」
34.第3幕 バッカナーレ「道を開けよ、祭りの主の」(仮装人物の合唱)
35.第3幕 シェーナと二重唱「奥様…」/「なにかあったの?」(アンニーナ、ヴィオレッタ、アルフレード) 「パリを去ろう、ああ、いとしい人よ」(アルフレードヴィオレッタ)
36.第3幕 シェーナと二重唱「ああ、だめだわ!-ああ!あれほど苦しんできたあたしが」(ヴィオレッタ、アルフレード)
37.第3幕 最終フィナーレ「ああ、ヴィオレッタ!」-「あなたさまが!」(ジェルモン、ヴィオレッタ、アルフレード)
38.第3幕 最終フィナーレ「受けとって下さい、これはあたしのすぎ去った日の面影です」(ヴィオレッタ、アルフレード、ジェルモン、アンニーナ、医師)