ダルタニャン物語


この『ダルタニャン物語』、講談社文庫版の全11巻が私の書斎に並んでいます。
直近では2005年、仕事疲れからの鬱状態で、この冒険活劇でも読んだら気が晴れるかと通勤電車の中で読み耽りましたが「ブラジュロンヌ子爵」の恋愛模様の辺りが退屈で挫折してしまい(その頃には仕事もヤマを越して鬱から脱出していましたが)、学生時代以来、未だに一度も全11巻通読できておりません。
今年は何とか読破すべく、心機一転、1968年8月から刊行されたハードバック版を図書館から借り出してきてチャレンジしようと思っています。この版には小野木学画伯の素晴らしい挿絵とともに、各巻の月報のエッセイもあって大いに楽しめます(第1巻は武田泰淳)。
あの懐かしい篠沢秀夫さんも大のファンのようで、文藝春秋の別冊に書かれたエッセイ「ダルタニャンは我等の護り」を楽しく読ませていただきました。
さて、世の中に『ダルタニャン物語』のファンは多いようですが、中でも次のHPは非常に充実していて参考になります。
http://www.cac-net.ne.jp/~louis/
このHPで講談社版『ダルタニャン物語』に一部訳出漏れ、それも1章が丸々欠落している、という驚くべき指摘を読みました。元々の原書がそもそも欠落している版であったのではないか、ということですが、訳者の鈴木力衛さんが実際に訳していてストーリー展開上、おかしいと気が付かなかったというのはちょっと不思議ですし、偶然それに気が付いてフランス語の別の原書にあたって判明したというのはすごい話です。いずれにしても欠落している章をどなたかに訳していただきたいものです。
以前、2007年2月1日でしたが、小野木学画伯の作品を多く収蔵している東京都の練馬区立美術館を訪問する機会がありました。そこで初めて知ったのですが、画伯は1976年8月に52歳の若さでお亡くなりになっており、この美術館では、没後10年(1986年)、20年(1996年)、30年(2006年)に記念の展示をされておりました(図録は10年、20年時のみ作成。館内で閲覧できました)。
この個人訳を物された鈴木さん(1911.5.1−1973.6.14)といい、小野木さん(1924.1.13−1976.8.24)といい、ハードバック版『ダルタニャン物語』全11巻が世に出てからほどなくお亡くなりになっています(ハードバック版最終巻『剣よ、さらば』が1969年6月刊行)。お二人とも多くの精力を『ダルタニャン物語』完成に注ぎ込まれたからなのでしょうか。心して読まねば、と思います。
それに2009年はこのハードバック版『ダルタニャン物語』全11巻が世に出てから40年になる記念の年です。
いずれにしても、私の愛読書の筆頭に『ダルタニャン物語』を挙げている以上、今年こそ必ず読み通したいものだと思っています。
三銃士大事典
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