『空の怪物アグイー』

岩波書店のPR誌「図書」に大江健三郎さんが「親密な手紙」と題する小文を連載されています。実は、今日、たまたま4月号を眺めていてそれを知りました(今月号のタイトルは「ブクブク」)。
この「親密な手紙」というのも、最近のBBCラジオのプログラム Words and Music で Intimate Letters という放送があったことを想起させられます(2010年3月21日放送)。
http://www.bbc.co.uk/programmes/b00rjy9t
さて、この「ブクブク」に武満徹さんが(氏は大江作品の最初からの、それも数かずの長編も含めての読者だそうですが)大江さんの作品の中では『空の怪物アグイー』が一番好きだと大江さんの奥様に話されていた、とありました。

空の怪物アグイー (新潮文庫)

空の怪物アグイー (新潮文庫)

『空の怪物アグイー』!
これは私が中学生の頃、街の小さな本屋さん(カメラ屋さんと併設だったような)へ友人と一緒に自転車で行って、生まれて初めて買った文庫本ではないですか。いやぁ、懐かしいなあ。
このタイトルに引かれて買ったものの、いざ読んでみると訳が分からず途中で投げ出してしまった覚えがあります。
「ブクブク」で大江氏いわく「喪なわれた幼児が、カンガルーをくるめるほどの寝巻で空中を浮遊する話」だとのこと。こりゃぁ中学生の身には分からんでも無理はないでしょう。