2つの対談

今日は偶然次の2冊をパラパラと眺めたのですが、いずれも大した対談で感心しました。今日一日、得した気分です。

スポーツ批評宣言あるいは運動の擁護

スポーツ批評宣言あるいは運動の擁護

一つ目はこれ。流石に御大蓮實重彦先生は鋭い!実はこの本の存在を知ったのは「なでしこジャパン」が優勝した際に先生が朝日新聞に寄せた一文を読み、冷静かつ鋭いその「スポーツ批評」に感心したからです。この先生は映画だけではなかったのか、一流は何をやっても一流だということを証明しているような本です。この本の対談は2002年に日韓で共催されたW杯の前後に「ユリイカ」誌上で交わされたもので当時もかなり評判になったようですね。実は私も先生が仰るように「美しい」ゴールやパスが見たいがために遠路はるばる英国までプレミアリーグを観戦しに出掛けているのであります。
文学のレッスン

文学のレッスン

二つ目がこれ。こちらも流石は御大丸谷才一先生。先生の博覧強記はもの凄い!流石に学者で小説を書いている方ですね。こちらの対談は「考える人」誌上に連載されたものをまとめたものですが、丸谷先生の話には漱石司馬遼太郎村上春樹が必ず出て来るので好きですね。蓮實先生など前書では村上を評して「結婚詐欺師」(読者は騙されたいと思っているので付いていってしまう!)と書いていたのですが、これはどうなんでしょうか。私はこれが新潮文庫に収められたら買って熟読するつもりです。

 はしがき
【短篇小説】もしも雑誌がなかったら
【長篇小説】どこからきてどこへゆくのか
【伝記・自伝】伝記はなぜイギリスで繁栄したか
【歴 史】 物語を読むように歴史を読む
【批 評】 学問とエッセイの重なるところ
【エッセイ】定義に挑戦するもの
【戯 曲】 芝居には色気が大事だ
【 詩 】 詩は酒の肴になる
 あとがき
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