　原子力安全規制政策 - おやっさん的日常

目下、我が国最大の懸案事項は、現首相が政治生命を賭けるという消費税増税の是非ではなく原発再稼動を認めるか否かというエネルギー政策の是非ではないでしょうか。
それは、先月、梅原猛さんがＮＨＫＴＶで 3.11 を「文明災」と呼び86歳にして猛勉強を強いられた、とおっしゃっていたのを目にしたからでもあります。
とんでもない福島原発事故を引き起こしたこれまでの国の原子力安全規制政策の根本的な変更なしに電力不足の懸念だけで安易に福井県の大飯原発再稼動ができるとは思われません。
ではこの懸案事項を国民の一人として判断する際に参考としたい文献は？
とりあえず本日発売される本書の「原子力安全規制政策」（城山英明執筆）を含め、以下のとおりでしょうか。

政策変容と制度設計―政界・省庁再編前後の行政 (MINERVA人文・社会科学叢書)

作者: 森田朗,金井利之
出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
発売日: 2012/05/01
メディア: 単行本
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内容説明
1990年代からの政界・省庁再編による統治機構改革は、機能しうる政策再編をもたらし、新たな課題に適切に対応していく政策編成を生成したのか。本書は、代表的な12の政策領域を取り上げ、政界・省庁再編後の政策変容を理論的かつ実証的に分析することで、現代日本の政策活動の全体像を捉える。
森田朗先生門下の第一線の研究者による、現在の政治行政システムに求められている課題に答える最先端の研究書。

目次
序　章　政策変容と政界再編・省庁再編（金井利之）
　１政策活動の記述枠組み
　２戦後日本の政策編成と変容
　３本書の構成

　第Ⅰ部　政策の横断的処理
第１章　統治機構（伊藤正次）
　　　　——内閣主導体制の理想と現実
　１橋本行革と内閣主導体制
　２首相補佐機構の人事運用
　３意思決定・企画立案・総合調整機構の組織編成
　４政治機構の人事運用と組織編成
　５内閣主導体制の現実
第２章　予算編成（曽我謙悟）
　　　　——首相主導への変化とその限界
　１予算編成の制度設計と政策再編
　２予算編成の制度
　３予算編成制度の変化
　４予算内容の分析
　５今後の予算編成制度にむけて
第３章　総合行政主体（姜　光洙）
　　　　——道州制論の可能性と限界性
　１道州制・区域・統治構造
　２セクショナリズムと地域総合行政体制
　３　新たな地方総合行政主体の創設構想
　　　 ——道州制・「地方」案
　４道州制論と制度設計
第４章　統計制度（松井　望）
　　　　——「司令塔」の設計と「省庁共同体」の持続
　１情報調達と統計制度
　２旧統計法における統計管理
　３統計制度改革と「司令塔」
　４新統計法における統計管理
　５持続する「省庁共同体」

　第Ⅱ部　政策領域の生成
第５章　地球環境政策（久保はるか）
　　　　——温暖化対策の変容と政界再編・省庁再編
　１政策編成の構成要素
　２戦後体制における環境政策の政策編成
　　 ——70年代〜80年代前半
　３地球環境政策生成期の政策編成
　　 ——80年代後半〜90年代前半
　４地球温暖化対策定着期の政策編成
　　 ——90年代後半〜2000年代前半
　５地球温暖化対策発展期の政策編成
　　 ——2000年代後半以降
　６政権交代による変化
第６章　野生動物保護管理政策（打越綾子）
　　　　——1990年代以降の法制度の深化と実施過程における課題
　１　野生動物をめぐる問題
　２　野生動物保護管理にかかわる法制度
　３　執行過程を規定する野生動物保護管理の専門知
　４　執行過程を規定する地域社会の合意形成
　５　長野県軽井沢町の事例
　６　専門知と合意形成の重要性
第７章　景観政策（田丸　大）
　　　　——景観法は都市計画法制度を変えたのか
　１　「景観」に関連した法制度と国土交通省の対応
　２　「景観」を取り巻く状況の変化と国土交通省の対応
　３　景観法の概要と制度設計
　　　——自主条例との関係を中心に
　４　景観法における制度設計の限界
　５　民間への権限付与とまちづくりにかかわる主体の組織化
第８章　観光政策（田口一博）
　　　　——反復する政策再編と組織の拮抗
　１　観光政策の概要
　２　観光政策の生成
　３　リゾート法の時代
　４　反　復
　　　——観光政策第３の再編

　第Ⅲ部　政策の統合再編
第９章　原子力安全規制政策（城山英明）
　　　　——戦後体制の修正・再編成とそのメカニズム
　１　原子力安全規制政策の構造
　２　原子力安全規制政策の戦後体制
　　　——「ダブルチェック」体制の成立と運用
　３　ＪＣＯ臨界事故・省庁再編と戦後体制の修正
　４　東京電力福島第一原発事故と戦後体制の再編成
　５　原子力安全規制政策のメタガバナンス
第10章　規制改革（田辺国昭）
　　　　——分析のための試論
　１　改革の分析
　２　規制改革
　３　外部に設置される委員会
　４　規制改革の２類型
　５　組　織
　６　運用と戦術
　７　規制改革の成果
　８　改革の組織・戦術・成果
第11章　通商政策（金　燦東）
　　　　——韓米ＦＴＡ交渉と日本ＦＴＡ
　１　政策転換の原因
　２　政策転換
　３　政策戦略再編と制度的参加者の役割
　４　日本のＦＴＡ政策過程の参与者
　５　韓米ＦＴＡ政策再編を導いた制度変数
　６　政策再編と政策転換
第12章　医療政策（飯間敏弘）
　　　　——医療費抑制策の推進とその変容
　１　医療政策と社会環境要因の関係
　２　1980〜90年代の医療費抑制策
　３　2000年代以降における医療政策の再編と統合
　４　医療政策を記述する分析手法
　５　クローズド・システム・モデルによる医療政策の分析
終　章　政策再編への制度設計（金井利之）
　１　政策再編の安定と動揺
　２　政策再編の総論
　３　政策再編の各論
　４　制度設計の限界と政策再編の限界
あとがき
索　引
http://www.minervashobo.co.jp/book/b100078.html