村上春樹ロングインタビュー

考える人 2010年 08月号 [雑誌]

考える人 2010年 08月号 [雑誌]

このB5版の重い雑誌「考える人」。バックナンバーが品切れなので仕方なく図書館で借り出し、今、通勤車中で読んでいるのが当時かなり話題になった「村上春樹ロングインタビュー」。
2010年5月13日、14日、15日の2泊3日で行われた、というこの箱根合宿インタビュー。そのテープ起こしとチェックを経て、何と7月3日に雑誌発売、という強行軍で、担当した編集者の気迫が感じられる仕事ぶりです。
http://www.shinchosha.co.jp/kangaeruhito/backnumber.html
残念ながらまだ2日目の途中、という段階です。

[1日目 2010年5月11日]
一人称から三人称へ
ノルウェイの森』のこと
僕と鼠の物語の終わり
歴史少年だったころ
物語の間口と奥行き
プリンストン
第三の新人」講義
アンダーグラウンド』と『サハリン島
アフターダーク』と『1Q84
1Q84』はいかに生まれたか
クローズド・サーキット
手を握りあう
物語を掘りだす
文体が支える
B00K3
女性たちとセックス
1Q84」という世界
パラフレーズすること


[2日目 2010年5月12日]
プリミティブな愛の力
『静かなドン』から始まった
話し言葉と語りのカ
メタファーの活用と描写
B00K4の可能性
近過去の物語
十歳という年齢と偶然を待つこと
父的なものとの闘い
漱石のおもしろさ
芦屋から東京へ
心理描写なしの小説
自由であること、個であること
時間が検証する
十歳で読書少年に
芦屋のころ
一九世紀的な小説像
自我をすっぽかす小説
長距離ランナー


[3日目 2010年5月13日]
リスペクトの感情
古典の訳し直し
サリンジャーカポーティをめぐって
カーヴァーの新しい境地
二〇世紀の小説家の落とし穴
アメリカの出版界
オーサー・ツアー
全米ベストセラーリスト
エルサレム賞のこと
短篇小説と雑誌の関係
今後のこと

http://www.shinchosha.co.jp/kangaeruhito/mokuji/33.html

第1回「雑誌大賞」グランプリ受賞!
http://www.shinchosha.co.jp/kangaeruhito/high/high172.html
http://zasshitaisho.com/award/2010-2nd-half/magazineaward-grandprix.html
本日、国立国会図書館サーチをしていて、以前刊行された村上春樹インタビュー集に文庫化の動きがあり、それが来月4日に発売される予定、とのニュースを知りました(JPO近刊情報センター)。
http://iss.ndl.go.jp/

興味深いのは2010年に出たハードバック版とタイトルは同じでも副題が「1997−2009」から「1997−2011」と2年増補されているところ。
収録されるインタビューの本数も増えているのでは、と胸がときめきました。
夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです

まさかこの「考える人」に載っているインタビューを新潮社が手放すはずがない、これが文庫化に当たって新たに収録されているはずがない、とは思うのですが、通勤車中で読む身にとって文庫なら嵩張らず本当にありがたく是非入って欲しいと期待を込めて考えてしまいます。
では、一体どうなっているのでしょうか。
文藝春秋のHPで確認したところ、やはり×。残念でした。
2012年8月30日 文春文庫は9月4日(火)発売です。
http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784167502126