芥川竜之介随筆集

芥川竜之介随筆集 (岩波文庫)

芥川竜之介随筆集 (岩波文庫)

芥川竜之介随筆集」全20回
朗読 : 榊 寿之
テキスト :芥川竜之介随筆集(石割透編)岩波文庫 2014年

芥川竜之介が没して、2017年はちょうど90年となる。芥川は24歳で『鼻』を発表、漱石に激賞されて以来、数々の名作を残し、今も愛読され続けている。番組では芥川が書いていた「随筆」の中から芥川の人となりを思いおこさせる『あの頃の自分のこと』『澄江堂雑記』『本所両国』『大川の水』を朗読する。

『あの頃の自分のこと』漱石の面識を得て「新思潮」を新たに刊行する希望にあふれていた青春の時期を回想している。
『澄江堂雑記』は30歳を過ぎてから書き綴った自分の書斎の名前を冠した随筆で、告白を嫌った芥川の人柄が感じられる。
『本所両国』芥川の育った本所界隈の回想を扱っている。
『大川の水』大川、そして東京への愛着が綴られる。

芥川竜之介
1892(明治25)〜1927(昭和2)年。東京生まれ。旧姓新原。東京帝国大学英文科卒業。幼い頃から病弱・神経質で、泉鏡花滝沢馬琴などの江戸の文学、「西遊記」「水滸伝」などを愛読。美術や工芸などにも興味を示した。中学時代から抜群の秀才として知られ、東京帝大在学中に菊池寛らと第三次・第四次『新思潮』を創刊。大正5年25歳の時『新思潮』に発表した「鼻」が夏目漱石に激賞され、新進作家として華々しくデビューした。『戯作三昧』『地獄変』『奉教人の死』『枯野抄』で大正文壇の代表作家の地位を確立した。昭和改元(1926.12)後に発表した『玄鶴山房』『蜃気楼』『河童』や、遺稿として死後に発表された『歯車』『或阿呆の一生』などがある。昭和2年7月24日、睡眠薬自殺した。

http://www4.nhk.or.jp/roudoku/315/


日本文学の名作を読む
第14回 芥川龍之介の短編を読む
近代文学における短編というジャンルに注目し、芥川龍之介の作品を取り上げながら、短編小説の多様性に触れる。また、夏目漱石森鷗外の文学世界との関連にも注目しながら、近代文学の展開の中で、芥川龍之介を位置づけたい。

【キーワード】
芥川龍之介、短編、『大川の水』、『枯野抄』、『本所両国』
http://www.ouj.ac.jp/hp/kamoku/H29/kyouyou/C/ningen/1554930.html