上海万博

本日、中国の上海万博が開幕しました。日本のTV各局が、朝から、昨日の開会セレモニーと併せて中継するという正に北京オリンピック並みの扱いをしていましたが、こうした日本の姿勢には、いくら隣国だとはいえやや大袈裟だとは思いつつも、このイベントが、世界の大国が国を挙げて、その威信を賭けて取り組んでいるものなんだという熱気が十分に伝わってきました。日本からは日本館、産業館、大阪館(上海とは姉妹都市だそうですね)の3館が出展しているようですが、今後の中国とのつきあいを考えての精一杯の力の入れようだと感じます。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/8653426.stm
中国とのつきあい方を考える、というと、竹内好さんの『中国を知るために』を思い出してしまいますが、中国との国交回復(1972.9.29)などといっていた約40年前とは、あたりまえですが随分変わったものです。
以前誰かが、元々中国は大国であり正常な状態に戻っただけだと言っていましたが、確かにそうかもしれません。今日のTVでも外務省OBの小倉和夫さんの著書のタイトル『中国の威信 日本の矜持』を引きながら、その小倉さんと田勢康弘さんが日中関係について対談しているのを興味深く観ました。そうですか、中国のソフトパワーが世界を席捲する例として、今年のハーバード大学の新入生で中国からの留学生は大勢いるのに日本人は1人しかいないんですか。ちょっと事態は深刻のように思われます。
思えば2005年の愛知万博の頃までは、まだ日本にも元気が残っていました(首相は小泉純一郎氏でした)し、当時トヨタが絶好調だったのが、ここ最近、そのトヨタまでもが自信を無くしかけている姿は何か現在の日本を象徴しているようです。
中国が大国であるのが正常な姿だ、などという中国観は多分に「日本人自身の自己認識の投影」(川北稔さんが日本人の英国観を述べた際に使った言)という面もあるのでしょう。