「借り暮らし」考


スタジオジブリの新作映画「借りぐらしのアリエッティ」が7月17日から東宝系で上映されています。別段この映画を観たいとは思いませんが、岩波「図書」7月号の巻頭言でジブリ鈴木敏夫さんが、2008年の初夏、宮崎駿さんに「なぜいま『床下の小人たち』なのか」と質問したところ、おそらくその場で思いついたのだと思われる宮崎さんの説明は以下のようなものだった、と記していたのが気に懸かっていました。
さてさて時代は本当に、モノを買わない「借り暮らし」なのでしょうか。

この話の中に登場する「借り暮らし」という設定がいい。今の時代にぴったりだ。大衆消費の時代が終わりかけている。そういうときに、モノをお金で買うのじゃなくて、借りてくるという発想は、不景気もあるけど、時代がそうなってきたことの証だ。

http://www.iwanami.co.jp/tosho/737/preface.html

これを自分に引きつけて考えると、確かに、本は図書館で専ら借りる、ということが多くなりました。図書館自体、元々好きですが、以前は日曜日に出掛けるくらいだったのが、最近は土曜日にも出掛けていて、休日の外出はもっぱら図書館、という状況になっています。
自分で本を買っても読みたい時に手元に無かったりするので、整理整頓された図書館で探した方が確実に読めるということが最近やっと判ったからでもあります。
もっとも、一面これは、図書館で借りている本の返却期限がきていなければ、休日は自宅に「ひきこもり」状態だという、単なる出無精のなせるわざかも。私の場合「借り暮らし」でなく「ひきこもり」の世相を見事に体現しているというところでしょうか。いやはや。