黒田亘 没後22年

哲学者 黒田亘さんが1989年に60歳でお亡くなりになって本日で22年。

行為と規範

行為と規範

私はこの本、没後に出版された放送大学のテキストですが、これを超える日本語で書かれた哲学書になかなかお目にかかれないので、いまだに引っ張り出して拾い読みしてます。
功利主義と分析哲学―経験論哲学入門 (放送大学教材)

功利主義と分析哲学―経験論哲学入門 (放送大学教材)

同じ放送大学テキストなら黒田先生のお弟子筋にあたるこの一ノ瀬さんの本でしょう。10月5日からのBSデジタルラジオ放送(毎週水曜、朝6:00から。531CH)を今から楽しみにしております。
http://www.ouj.ac.jp/hp/bangumi/nenkan/bangumi_2/h23/jyugyo_ra.html
ならば翻訳書で良い本がないものか、と思っていますが、随分前から手に取るのは相変わらず以下の本。いかに私の読書が進んでいないかが分かろうというもの。
生き方について哲学は何が言えるか

生き方について哲学は何が言えるか

コウモリであるとはどのようなことか

コウモリであるとはどのようなことか

どこでもないところからの眺め

どこでもないところからの眺め

学生時代にもっと読んでおきたかったロック、ルソー、ノーズィックといった政治哲学に絞ってみると以下のとおり。
正義論

正義論

この大著の川本さんの手になる新訳が昨年やっと出版されました。これなら相手にとって不足なし。30年来の勉強不足をこれから少しでも取り戻したいものです。
自由論

自由論

長谷部先生が上記ロールズより親近感を抱く、ということでその文章によく引用されているところから興味を持ちました。1961年に仏語で著された「政治理論はまだ存在するか」は、その昔、丸山眞男が『南原繁著作集』の内容見本に「南原の著作を読むことが「政治哲学は今なお存在するか」(Iバーリン)と痛切に問われる状況のなかでいよいよ意義を増すのではないだろうか」と書いたように、政治哲学の没落、と言われ始める契機となった文章のようです。
自我の源泉 ?近代的アイデンティティの形成?

自我の源泉 ?近代的アイデンティティの形成?

そのバーリンがジャハンベグローとの対談で「若い友人」と一目置いていたのがこのテイラーでした。この彼の大著も昨年めでたく翻訳されました。
自由論 (光文社古典新訳文庫)

自由論 (光文社古典新訳文庫)

古典ならばこれですね。非常に読みやすい訳なので英語の勉強のためにも原著を手元におきたくなります。