雑誌記事検索

日本では国立国会図書館がIT化の最も進んでいる図書館だといえると思います。
ここが所蔵している図書の検索についてはそう驚くことはないのですが、雑誌記事検索は凄いですね。これまでの雑誌記事目録の蓄積があればこそ、だろうと思われます。
http://opac.ndl.go.jp/
試みに今、私が日本で最も注目している2人の書き手、苅部直さんと長谷部恭男さんが最近出された著書に収録されている文章の雑誌初出を調べてみましょう。
まずはこれ。

歴史という皮膚

歴史という皮膚

その「あとがき」で御自身「硬派の論文集」とおっしゃっていますが、61件ヒットした中でこの本に収録されている7本を発表順に並べてみると以下のとおり。

02. 「利欲世界」と「公共之政」--横井小楠元田永孚 / 國家學會雑誌. 104(1・2) [1991.02]
08. 立ちつくすピラト / 図書. (637) [2002.5]
12. 平和への目覚め--南原繁恒久平和論 (帝国・戦争・平和) -- (戦中から戦後へ) / 思想. (945) [2003.1]
27. 浮遊する歴史--1990年代の天皇論 (特集 1990年代日本の思想変容) / 社會科學研究. 58(1) [2006]
29. 回想と忘却--丸山眞男の『神皇正統記』論をめぐって (丸山眞男を読み直す) / 思想. (988) [2006.8]
42. 大正グローバリゼーションと「開国」--吉野作造を中心に (暴力・連帯・国際秩序) / 思想. (1020) [2009.4]
52. 福澤諭吉の「怨望」論 (情念と政治) / 思想. (1033) [2010.5]

02は論文集『公共哲学』にも収録されていたように思います。これ以外の論文集や共著からその一部が収録されているものは『日本思想史ハンドブック』。
つぎにこれ。

憲法のimagination

憲法のimagination

「UP」連載中から愛読してはおりましたが、ヒットした237件をざっと眺めてみると「法学教室」の連載(Interactive 憲法)が2006年3月にひと段落してほどなく「UP」での連載が始まり(2007年2月)それが終わって(2009年3月)すぐにまた「法学教室」の連載(続・Interactive 憲法)が始まっている(2009年4月)ことが分かり感心しました。
また、丸谷才一さんとの対談が「世界」誌上であって(2007年5月)なるほど二人は知らぬ仲ではなかったんだな、などと思ったりしました。

065. 書評(3)カール・シュミットシェイクスピア--カール・シュミット著/初見基訳『ハムレットもしくはヘカベ』 / UP. 33(3) (通号 377) [2004.3]
072. 書評(8)信じられない カズオ・イシグロ/土屋政雄訳『日の名残り』 / UP.33(8) (通号 382) [2004.8]
080. 書評(14)ドン・キホーテの夢 ミラン・クンデラ/金井裕・浅野敏夫訳『小説の精神』 セルバンテス/牛島信明訳『ドン・キホーテ』(全六冊) / UP. 34(2) (通号 388) [2005.2]
092. 書評(19)不自由による自由 イタロ・カルヴィーノ/須賀敦子訳『なぜ古典を読むのか』 イタロ・カルヴィーノ/米川良夫訳『見えない都市』 / UP. 34(8) (通号 394) [2005.8]
101. 書評(25)法をおしえて E・H・カントロヴィッチ/甚野尚志訳『祖国のために死ぬこと』 / UP. 35(3) (通号 401) [2006.3]
106. 書評(31)人ではない J・L・ボルヘス/鼓直訳『伝奇集』 / UP. 35(9) (通号407) [2006.9]
107. 憲法という理由づけ / UP. 35(12) (通号 410) [2006.12]
109. 憲法のimagination(1)生きている / UP. 36(2) (通号 412) [2007.2]
113. 憲法のimagination(2)イェルサレムアテネ / UP. 36(5) (通号 415)[2007.5]
114. 憲法のimagination(3)日本国民、カモーン! / UP. 36(6) (通号 416)[2007.6]
115. 憲法のimagination(4)自己目的化の陳腐さについて / UP. 36(7) (通号 417)[2007.7]
116. 憲法のimagination(5)アテネ学会日記 / UP. 36(8) (通号 418) [2007.8]
118. 憲法のimagination(6)国民を使用人扱いするのか? / UP. 36(9) (通号 419)[2007.9]
119. 憲法のimagination(7)法哲学者の偉大さについて / UP. 36(10) (通号 420)[2007.10]
120. 憲法のimagination(8)「ガチョーン!」の適切さについて / UP. 36(11) (通号 421) [2007.11]
121. 憲法のimagination(9)続く? / UP. 36(12) (通号 422) [2007.12]
125. 憲法のimagination(10)ゲバラのように生きる / UP. 37(1) (通号 423) [2008.1]
126. 憲法のimagination(11)東京・横浜学会日記 / UP. 37(2) (通号 424) [2008.2]
127. 憲法のimagination(12)とらわれて / UP. 37(3) (通号 425) [2008.3]
128. 憲法のimagination(13)謎はない / UP. 37(4) (通号 426) [2008.4]
129. 憲法のimagination(14)特殊な国、アメリカ / UP. 37(5) (通号 427) [2008.5]
132. 憲法のimagination(15)そうしたかったから / UP. 37(6) (通号 428) [2008.6]
134. 憲法のimagination(16)どこへ行くのか / UP. 37(7) (通号 429) [2008.7]
135. 憲法のimagination(17)法と戦略 / UP. 37(8) (通号 430) [2008.8]
136. 憲法のimagination(18)へぇ、へぇ / UP. 37(9) (通号 431) [2008.9]
141. 憲法のimagination(19)認識を示す / UP. 37(10) (通号 432) [2008.10]
143. 憲法のimagination(20)そんな風には生きてない / UP. 37(11) (通号 433) [2008.11]
145. 憲法のimagination(21)厳密に言ってどうなのか / UP. 37(12) (通号 434) [2008.12]
147. 憲法のimagination(22)先例に従う / UP. 38(1) (通号 435) [2009.1]
148. 憲法のimagination(23)四人の子ども / UP. 38(2) (通号 436) [2009.2]
149. 憲法のimagination(24・最終回)スピノザの自由 / UP. 38(3) (通号 437) [2009.3]
165. 思想の言葉 人民は代表されえない (ジャン=ジャック・ルソー問題の現在--作品の臨界をめぐって) / 思想. (1027) [2009.11]