青い戦慄と呪いの血


The Blue Dahlia(1946)という映画をネットで観ることができたので、一体、日本語ではどう訳されているのかと思って調べると、これが「青い戦慄」というタイトル。
フィルムノワールの名作のようですね。
http://www.imdb.com/title/tt0038369/

ヴェロニカ・レイクとアラン・ラッドが『拳銃貸します』『ガラスの鍵』から4年ぶりに共演したフィルムノワール。脚本はレイモンド・チャンドラー。
うーん、やっぱりこのコンビはいいです。バコール、ボギーのコンビのほうがハードボイルド的ではあるけれど、レイク、ラッドのコンビの方は御伽噺的美しさ。フィルムノワール界の王子と王女って感じで(だから退廃的でもある!)。
フィルムノワールでのヴェロニカ・レイクはいつも心優しい相棒。雨の中を濡れて歩くアラン・ラッドに目をとめて車に乗せてやってからは、都合よく現れては彼の味方をする。ああ、それこそブロンドコンビのなせる技だ。

http://www006.upp.so-net.ne.jp/silentvoice/02_blue.htm

http://www.amazon.co.uk/The-Blue-Dahlia-Alan-Ladd/dp/B000M06GQA/ref=sr_1_1?s=dvd&ie=UTF8&qid=1330757433&sr=1-1

http://www.aga-search.com/132-4raymondchandler.html
本作品の原作本かと思いきや何と、チャンドラーが書いたこの映画のシナリオがそのまま本に。これは映画を観る上で貴重な資料です。
日本語字幕がないので理解が足りないのを補うため、映像の音声だけ録音してこれを眺めながら聴き流してみることにします(そういえば同様のシナリオ本でハワード・コッチ「カサブランカ」が書斎に並んでいたっけ。そういう仕方ならこちらも読み通せるでしょう)。このコンビの別の作品 This Gun for Hire、The Glass Key(1942)の原作本。
新訳も出ているので読むならばこちらか。

ヴェロニカ・レイク、アラン・ラッドの魅惑のコンビ作品でございます。改めてみると、このコンビの作品ではやはり『拳銃貸します』が最も素晴らしい!
『拳銃貸します』と言う作品は面白要素満載、当時の流行も満載というごった煮映画で、それでいながらなにかしら超越したものがあるのが素晴らしい。
なかでもとりわけ魅力的なのは、言うまでもなくコンビ初顔合わせです。『ガラスの鍵』も『青い戦慄』でもこのコンビは恋仲になるのですが、初顔合わせのこの作品では恋人にはならず、友人のままおわる、というか孤独な殺し屋アラン・ラッドに初めて友情が、それもヴェロニカ・レイクとの間に友情が生まれる、というのがいいのです。恋人でもないアラン・ラッドの身を心配するヴェロニカ・レイクの美しさに感動してしまうのです。

http://www006.upp.so-net.ne.jp/silentvoice/02_gun.htm

http://www.amazon.co.uk/This-Gun-Hire-Veronica-Lake/dp/B000KJT7QO/ref=pd_bxgy_d_h__text_c

http://www006.upp.so-net.ne.jp/silentvoice/02_glass.htm

ダシール・ハメットの主人公というと、私立探偵のコンチネンタル・オプや、『マルタの鷹』に登場するサム・スペードが有名で、人気のあるヒーローだ。
だが本書の主人公ネド・ボーモンは、その二人に負けないほどタフで、クールな男である。ボーモンはこの小説の中で、友人のマドヴィッグを助けるためにいろいろと汚い手を使う。友人のためなら、どんな汚い手を使うことも平気な男なのだ。そして正真正銘のワルでもある。

http://www.suntory.co.jp/whisky/museum/enter/mystery/novel/101.html

http://www.amazon.co.uk/Glass-Key-DVD-Alan-Ladd/dp/B000KHX9II/ref=pd_bxgy_d_h__text_b
さて、フィルムノワール関連のページを眺めていて、バーバラ・スタンウィックのファンと思われるこの方の以下の文章を発見しました。
スタンウィック、悪女の魅力
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Theater/4362/k-stanwyck.html
この中で「呪いの血」という映画について「スタンウィックが素晴らしいんです。悪女といえばこの人!ってぐらいの風格がありますね。へフリンを誘惑する際のあの色っぽい瞳といったらもう」
それってひょっとしてこの映画のスチールが、この写真なのかも。

とてもスタンウィックには見えないこの写真、一体どの映画のものなのか以前から謎でした。
呪いの血」の原タイトルは何だろう、と思って調べたら、これが The Strange Love of Martha Ivers(1946)、何とこのボックスセットの1枚ではありませんか、いやはや何とも。
http://www.amazon.co.uk/The-Barbara-Stanwyck-Collection-DVD/dp/B00166QKCO/ref=sr_1_1?s=dvd&ie=UTF8&qid=1330757250&sr=1-1