アポロの歌

アポロの歌(1) (手塚治虫漫画全集)

アポロの歌(1) (手塚治虫漫画全集)

今日の日経朝刊コラム「春秋」で、昨日、東京都議会で議論の末、青少年健全育成条例の改正案が可決されたことを承けて、あの懐かしい手塚治虫のマンガ「アポロの歌」が冒頭で取り上げられていました。
それにしても「アポロの歌」ですか。
以下のとおりコラム子が「少年誌に連載中から大胆な描写をめぐって物議をかもし、一部の県では有害図書に指定されたほどだ。1970年ごろの出来事である」と書いておられますが、私は、これを連載で読んだのではなく、もっと後で単行本にまとめられたものを、確か中学生の時に友人から借りて読んだという記憶があります(上記の手塚治虫漫画全集版ではなかったと思います)。
ものすごい数の精子たちがただ一つの卵子を目指して突進していくシーン等中学生の身には確かにドキッとしましたが、実は、手塚治虫作品では同じ頃、TVで映画「千夜一夜物語」だったか「クレオパトラ」だったかを観ていて、その艶っぽさにびっくりしていたので少しは免疫ができていたようにも思います(声は確か中山千夏さんだった記憶がありますので、どうも「クレオパトラ」のようです)。
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それにしても「アポロの歌」、懐かしいなぁ。私は名作だと思うし、二人の息子たちにも読んでもらいたいし、その感想を聞いてみたい気がします。

 手塚治虫さんの漫画に、性と恋愛を真っ正面から取り上げた「アポロの歌」という異色作があった。少年誌に連載中から大胆な描写をめぐって物議をかもし、一部の県では有害図書に指定されたほどだ。1970年ごろの出来事である。

 時は移り、ニッポンの漫画やアニメはますます多様化して世界に誇れる産業になった。しかし奔放自在な表現ぶりがその真骨頂なだけに、しばしば世の良識とぶつかり合うのは今も変わらない。東京都議会ではPTAなどの声を追い風に、過激な性描写のある作品を一般の本と分けて売らせる改正条例が成立した。

 たしかに、子どもに見せられない代物は多い。できれば封じ込めたいのが親心だ。ただ、こんどの条例は規制対象が「法に触れる性行為を著しく不当に賛美または誇張する作品」だから線引きが問題になる。物語の一場面だけを見れば「不当に賛美・誇張」でも、連載が終わってみれば大違いということもあろう。

 有名な漫画家が条例にこぞって反対し、大手出版社が都主催のアニメフェアへの参加を拒む騒ぎになっているのも過剰反応とばかりは言えまい。手塚漫画だって悪書扱いされた歴史があるのだ。都議会では可決にあたり慎重運用を求める異例の付帯決議を採択した。この新しい道具は、それくらい使い方が難しい。

http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE0E2E2E3E5E3E5E2E3E4E3E0E0E2E3E29F9FEAE2E2E2;n=96948D819A938D96E08D8D8D8D8D