2011年 回顧


3月11日に発生した東日本大震災がこの国を大きく揺さぶった一年でした。
その前から改革とかチェンジとか叫ばれる中、どこか腰が定まらないところがありましたが、今回の大津波原発事故は、もうそれを許さない感じです。本気(マジ)でそれ以前と日本は変わらざるを得なくなりました。
特に原発事故は、科学技術が必ずしも人類の進歩と幸福を約束せず、逆に人間の手に余りそれが制御不能になるとどういうことになるか、科学者、専門家といわれる人々のみならず普通の市民にも大いなる反省を促すことになりました。国土が放射能で汚染されてしまった日本がこれから数十年にわたり取り組まねばならない試練を前にして、全国民が等しく襟を正しているという状況にあります。
こうした事態を前にして現実の日本のリーダー達の無様な姿が白日の下に晒されてしまいました。リーダーの資質というもの、人間の修養というものをつくづく考えさせられます。もう政治不信と言って済ますことはできず、ドラスティックな改革が不可避でしょう。
そろそろ本当に覚悟しなければなりませんね。

一方、個人的には今年も実にのんびりした年でした。まるで第一線を引いた身分になったよう。年齢的には社会的に一番活躍できるはずなのに不本意ながらこれまでの人生で一番、ヒマで緊張感のない一年でした。特に4月からは煙たい上司もいない離れ孤島に追いやられ、易きにはすぐ慣れる、といいますが、安楽な9か月間を過ごしてしまいました。
通勤時間往復に4時間も費やすことを奇貨として好きな音楽をたっぷり聴けて普段より多い読書もできましたね。
小説の類は滅多に読まないのですが、今年は『沈まぬ太陽』全5巻、村上春樹初体験となった『海辺のカフカ』上下巻を読み通すことができたのも、この余裕のおかげ。

沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)

沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)

http://d.hatena.ne.jp/yasu-san/20091024
海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

http://d.hatena.ne.jp/yasu-san/20110824/1314185724
Kafka On The Shore (Leather Bound)

Kafka On The Shore (Leather Bound)

主な出来事は、振り返ってみると4月から5月にかけての山陰長距離ドライブくらいで休日は家に引き籠もることが多かったですね、残念ながら。
http://d.hatena.ne.jp/yasu-san/20110503/1304417553
尤も来年2月末のイタリア旅行に備え、これまで英国に片寄りがちだった海外への興味をやや拡げる方向にはあるようです。
http://lacasamia2.exblog.jp/
2月に購入した三菱のテレビデオで地デジ化で鮮明になった綺麗な画像でのフットボール観戦を始め、思う存分に映画(ダグラス・サークの5作品、フリッツ・ラングの「メトロポリス」、小林正樹の「切腹」、等)や旅行番組(欧州鉄道の旅、トラベリックス、ふれあい街歩き、等)をHDに録り貯め鑑賞することができました。
http://d.hatena.ne.jp/yasu-san/20110211/1297382370
特に、何と42年間も続いて今年12月に大団円を迎えた長寿番組「水戸黄門」は再放送を第7部(当時は高校2年生だった1976年5月24日〜1977年1月10日の全34話)、第15部(Mさんのことを考えつつMさんと付き合っていた1985年1月28日〜1985年10月21日の全39話中38話。何と片平なぎさがお姫様役で準レギュラー)それぞれHDに録画して楽しみました。「水戸黄門」の、特に再放送は高校生時代からのファンですからね。
http://www.tbs.co.jp/mito/mito7/
http://www.tbs.co.jp/mito/mito15/
それと併せて7月にPAL方式を変換して再生できるパイオニアのプレーヤーを購入したことも大きく空前の円高で割安になった英 Amazon からDVDを山のように買いました。
1992年から2003年までのプレミアハイライトDVDボックスセット全10巻中7巻を始めとして、ダグラス・サーク、イーリングスタジオ、それと写真はとてもそうは見えないバーバラ・スタンウィックのボックスセットなどなど、まだ封も開けていないものもあるくらいです。2005年のUEFAチャンピオンズリーグ勝戦も初めて通して観戦し感涙に咽びつつ You'll Never Walk Alone を謳いました。あれからもう6年にもなるのに本当に泣ける試合です。

http://d.hatena.ne.jp/yasu-san/20110723/1311981530
しかし何といっても今年一番力を入れた事といったら女性関係でしょう。時間に余裕があり頭の中で仕事が空っぽになっていたので、コレしかないと積極的に行動しました。美人と一緒に美味しい料理を食べ、我ながら楽しく過ごすことができましたね。
五十を過ぎればこのように人生を楽しむことも時には必要ですよ。