小説家の役割は少しでも優れたテキストをパブリックに提供すること

6日に開催された村上春樹公開インタビュー。
http://www.kawaihayao.jp/pdf/kawaihayao_news_130401.pdf
チケットの抽選にハズレてGW最後の日の京都訪問とならず残念でした。
昨日のテレビ(みのもんたの朝ズバ!けさの顔。当日のチケットの倍率が20倍だった、500枚に1万人が申し込み、という話でした)、新聞各紙のHP(休刊日のため)で大きく扱われていましたが最も詳細に伝えていたのが時事通信。当日の内容がよくわかりました。
村上春樹氏 公開インタビュー
ユーモラスに、冗舌に
http://www.jiji.com/jc/v4?id=201305murakamiharuki_int0001
生身の人間に興味
http://www.jiji.com/jc/v4?id=201305murakamiharuki_int0002
1Q84」は総合小説
http://www.jiji.com/jc/v4?id=201305murakamiharuki_int0003
ユーモアへのこだわり
http://www.jiji.com/jc/v4?id=201305murakamiharuki_int0004
音楽に励まされる
http://www.jiji.com/jc/v4?id=201305murakamiharuki_int0005
他の新聞で確か読売だったと思ったのですが「小説家の役割は少しでも優れたテキストをパブリックに提供すること」との発言を初めは載せていたはず。
その後削除されているので、どうやら記者の筆が滑ったようですが、私はこの台詞が一番気に入ったし村上ならこの発言もさもありなん、という感じですね。
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20130507-OYT8T00182.htm
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20130507-OYT1T00598.htm?from=main8
http://mainichi.jp/feature/news/20130507k0000e040080000c.html
http://mainichi.jp/feature/news/20130507k0000e040061000c.html
http://www.asahi.com/culture/update/0506/TKY201305060143.html
http://www.asahi.com/culture/update/0506/TKY201305060151.html?ref=com_top_pickup
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG06003_X00C13A5CR0000/
http://jp.reuters.com/article/wtEntertainmentNews/idJPTYE94600D20130507?feedType=RSS&feedName=wtEntertainmentNews
それにしても64歳にはとても見えない、その容貌には感心しました。
村上さんに倣ってますます走る輩が増えそうです。
May 3, 2013
Boston, from One Citizen of the World Who Calls Himself a Runner
Posted by Haruki Murakami
http://www.newyorker.com/online/blogs/books/2013/05/murakami-running-boston-marathon-bombing.html


(後記)
15日、チケット窓口のイープラスからこんなメールが届きました。

村上春樹 公開インタビュー」に応募されたみなさまへ


河合隼雄財団代表理事の河合俊雄です。

先日は5月6日に京都大学百周年記念ホールで行われた「村上春樹 公開インタビュー in 京都 ─ 魂を観る、魂を書く ─」にご応募いただき、誠にありがとうございました。

おかげさまで本当に多数の方に応募いただきましたが、そのために多くの方は抽選に外れ、チケットが行き渡らない結果になったことをお詫び申し上げます。

参加することができなかった方も、多くの報道を通じてご存じかもしれませんが、簡単に報告させていただきます。

村上春樹さんはインタビューに先立って25分のスピーチを行いました。
そこでは、村上春樹さんが河合隼雄と「物語」というコンセプトを共有していたこと、それを「本当に正確な形で丸ごと受けとめられたのは、河合先生以外なかった」ことが語られ、二人の深い結びつきと河合隼雄に対する村上春樹さんの熱い思いが伝わってきて、感動的でした。
最後の挨拶で私が申し上げたように、村上春樹さんは前日に河合隼雄の家を訪ねて下さいましたが、村上春樹さんにとっても今回のことが、まさに「村上春樹河合隼雄に再び会いにいく」という巡礼になっていたのだなという思いがしました。

今回の公開インタビューは、河合隼雄物語賞・学芸賞の設立を記念して行われたものです。村上春樹さんの話を通じて、河合隼雄のキーワードとして「物語」に焦点を当てて河合隼雄財団が活動していることに間違いはなかったという気持ちになりました。同時に、「魂の奥底にあるもの」とか「人と人とをつなぐもの」と言われた「物語」とは何かというのを、今後も追求していく必要性を感じました。
特に「自分の物語を相対化する」という考え方は新鮮で、物語も簡単に同一化できる「安酒」になってはいけないということと思われました。

湯川豊さんによるインタビューでは、自分の作品の変遷について、最新作『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』についてなど、多岐にわたって語られていました。自分がデタッチメントからコミットメントに変わっていったこと、そして最新作ではさらに、それぞれの登場人物のミクロコスモスを描こうとしたことなども印象的でした。
コミットメントというのが、独りよがりのものでない、他者の存在を認めるものに変化してきているように思いました。

湯川さんによるインタビューの後では、みなさんから送っていただいた質問がいくつか披露され、それにも村上春樹さんは率直に答えてくれていました。
創作について、走ることについて、ビールについて等々、時間の許す限りやり取りが行われました。

村上春樹さんには、河合隼雄との間で共有したものを元に、これからもすばらしい作品をいくつも書いていかれることを祈念します。
また河合隼雄財団としては、来週5月20日に発表される第1回河合隼雄物語賞・学芸賞をはじめとして、今後も「物語」ということを考える場を提供していければと考えています。
アンケートにも、講演を聴きたい人として、多くの名前があがっていました。
今後の財団の活動に引き続き注目していただき、温かいご支援をお願いします。

2013/05/15 (河合隼雄財団代表理事・河合俊雄)

考える人 2013年 08月号 [雑誌]

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