政治的リアリズム

昨年6月に放送大学の苅部先生の講義「政治的リアリズムとは何か」を聴いて以来、読まねば、と思っていた丸山眞男「政治的判断」(1958.7)。

著作集第7巻を図書館から借り出して、本日、やっと読了しました。
今から60年前の、市民を対象とした長野県での講演会(1958.5)速記録が元になっており、著作集に収録された1995年に初めて、広く一般に知られることとなった文献だそうです。
苅部さんの講義でも引用されていた「政治における理想と現実」や「政治は悪さ加減」の他、「政治的判断に対する言い訳」(状況を読み誤った前原前民進党代表に読ませたい)、「型通りの保守と革新」(戦後民主主義を保守する革新)、「全員一致と多数決」(少数意見の尊重)、二大政党制(第三党の存在意義)、国連の知恵(常任理事国の拒否権)、あり得べき投票行動、政治スローガンに酔ったリーダー等々、ユニークな例示を交えた見事な行論に感心いたしました。