思想の100年

雑誌「思想」2007年8月号(No.1000)の「思想」総目次をつらつら眺めていて、座談会「思想の100年をたどる」をもう一度通読したくなりました。その概要は以下のとおりです。
http://www.iwanami.co.jp/shiso/index.html

《座談会》思想の100年をたどる

(1)─ 1921-45年 知の衝撃と再編成 ─ (No.1000, 2007.8)
  佐藤卓己/苅部 直/米谷匡史(司会)
  ・はじめに
  ・1920年代のメディア状況
 ・知の大衆化と「教養主義」の誕生
 ・モダニズム芸術批評
 ・マルクス主義の衝撃と公共圏としての雑誌メディア
  ・ファシズムマルクス主義自由主義 ─混沌の30年代半ば
 ・戦時下の『思想』
 ・学問における語り方
 ・民族と国家の言説
 ・戦後の再出発への模索
 ・おわりに

(2)─ 1945-65年 戦後の思想空間 ─ (No.1001, 2007.9)
   間宮陽介/中島岳志酒井哲哉(司会)
 ・はじめに
  ・「戦後」の開幕 ─「保革」以前と世代交代
  ・『心』と『思想』
  ・冷戦の本格化 ─平和論とアジアへの関心
  ・「民族」の二つの位相 ─ナツィオンとフォルク
  ・転向論が生み出したもの
  ・保守主義の系譜
  ・高度経済成長と大衆社会
  ・おわりに ─重層的な思想史へ向けて

(3)─ 1965-85年 大衆消費社会と知の変容 ─ (No.1005, 2008.1)
   福井憲彦内田隆三鷲田清一/木前利秋/川崎 修(司会)
 ・はじめに
  ・変化の中での安定という時代
  ・転換期としての70年前後
  ・同時性と多様化の派動
  ・新しい原理の模索
  ・マルクス研究の遺産
  ・言語と意味
  ・社会学における分散と多様化
  ・多様なポリティックスの登場
  ・新しい歴史の発見
  ・おわりに ─自己言及の時代

(4)─ 1985-2007年 ポスト近代の到来 ─ (No.1008, 2008.4)
   荻野美穂/金森 修/杉田 敦/吉見俊哉(司会)
  ・はじめに
  ・政治思想史と政治理論の分離
  ・フェミニズムの不在
  ・ポスト・モダンの流行
  ・歴史学におけるポスト・モダン
  ・新しい「知」と「通奏低音
  ・政治学における社会的なものと公的なもの
  ・メディア研究における空白
  ・科学技術の社会構成主義
  ・ジェンダーと身体の焦点化
  ・メルロ・ポンティ的身体とフーコー的身体
  ・アイデンティティナショナリズム、帝国
  ・身体への技術的介入
  ・新しい権力の地政学
  ・社会の変化と新しいメディアの可能性

しかしながら、思想の100年という場合、通巻1000号の雑誌「思想」だけでは日露戦争前後からの明治後半(1900年〜)が抜け落ちてしまいます。
そこで、やや時代は遡ることにはなりますが、明治の「思想」とも言える「明六雑誌」全43号を全部復刻した岩波文庫山室信一さんの解説論文を参考に読むことにしました。

明六雑誌〈下〉 (岩波文庫)

明六雑誌〈下〉 (岩波文庫)