格差が拡大する

今朝のTV各局ニュースのトップは大阪政治決戦の結果、ダブルで橋下前府知事率いる「大阪維新の会」が当選したことでした。
インタビューでは、新体制に期待します、という街の声が多かった中で気になった発言として、若い女性が「格差が拡大する気がする」と言っていたこと。
最初、私にはこの意味がよく分かりませんでしたが、以下の、ちょうど1年前の砂原庸介先生の文章(「地方政治 橋下大阪府知事の『大阪維新の会』が意味するもの」)を読んで納得できました。いやぁ、若い女性の直感だったのでしょうが、実にスルドイ感覚をしてますね。
確かに、大阪都とか中京都とか、投票日前日に東京都の石原知事が橋下さんを応援していたこと等々考えてみると、今後こういう方向に進む予感がします。

同様に経済成長のエンジンとして都市の機能を重視する、国政レベルの「みんなの党」や、河村たかし名古屋市長が率いる「減税日本」と地域を超えた連携を強調していくのである。全国レベルで都市を重視する勢力が連携して、国政における一定の影響力を確保すれば、現在と比べてより都市の自由度を向上するかたちで中央地方関係に変化が生まれる。

そうなれば止むを得ないことながら以下のとおり「都市と地方の対立」が顕在化することになるのではないでしょうか。

近年の地方分権改革、とりわけ地方税財源に関わる改革では、地方への交付税補助金が批判の対象となり、これらを縮減するとともに、国税地方税として移譲することが重視されている。そのひとつの試みが小泉政権期の三位一体改革であり、帰結として財政力の弱い地方の困窮を招き、富裕な都市と地方の格差が広がったことがしばしば指摘される。
しかし、これを都市の側から見ればどうなるか。本来はより多くの地方税収入を持つはずの都市は、地方へと移転するためにその税収の多くを国に吸い上げられることになる。都市からすれば、国に対して財政移転を求める地方の財政規律の緩さが問題であり、経済活動の活発な大都市であるほど、その問題は深刻に捉えられる。それだけでなく、国が補助金などを交付するために地方自治体を強く統制することは、都市の自由な経済活動を妨げるものであるとして問題視されることになる。

地方政治 橋下大阪府知事の「大阪維新の会」が意味するもの(エコノミスト〔2010.11.30〕)
http://d.hatena.ne.jp/sunaharay/20111127/p1