不都合な真実

本日の産経新聞「正論」というコラムの中で民主党政権が現在進めようとしている「税と社会保障の一体改革」の議論について、竹中平蔵さんが「デフレ克服と経済成長に向けた姿勢が欠如している」と批判されていました。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110223/fnc11022302570000-n1.htm
竹中さんの批判は、今の政府の議論には3つの欠陥がある、として、その第一がこれ。
あとの2つは「歳出削減のシナリオがないこと」及び「消費税が何%になるのか全体像が見えないこと」でしたが、この2点については、私もそうだなと合点がいきました。
ですが最初の「デフレ克服と経済成長に向けた姿勢が欠如していること」については、竹中教授が指摘するとおりだとしても果たして上手い処方箋が書けるものなのでしょうか。
これが日本が直面している現下の大問題であることは認めます。しかしこのハードルが乗り越えるのに余りに高くて20年近くも閉塞状態が続いているのが今の日本の姿。いい加減、一般にイメージするような「成長」など果たして可能なのでしょうか。
というのは、昨日の日経新聞で末村篤さんがコラム「成長の限界という不都合な真実」で指摘されていたように、日本を含めた「先進国のデフレと新興国のインフレ、国際商品価格の高騰」という混乱は「新自由主義的思潮と経済のグローバル化」に伴う必然であって、結論として、日本は前川リポート以来四半世紀の経験を生かし」「輸出依存の呪縛を解き、成長と分配のバランスのとれた構造改革内需中心の経済運営への転換」をするしかないのであって、この構造改革、20年にもわたる見果てぬ夢としての構造改革により日本はこの停滞から這い上がるしかないのが現実なのだとしたら、全くこれは御愁傷様な「不都合な真実」だと言わざるを得ないでしょう。