分権決議20年

国会両院で「地方分権の推進に関する決議」が議決されて、もう20年。この間が「失われた20年」と重なるのは偶然ではないでしょう。
http://d.hatena.ne.jp/yasu-san/20101121

 地方分権の推進に関する決議

 今日、さまざまな問題を発生させている東京への一極集中を排除して、国土の均衡ある発展を図るとともに、国民が待望するゆとりと豊かさを実感できる社会をつくり上げていくために、地方公共団体の果たすべき役割に国民の強い期待が寄せられており、中央集権的行政のあり方を問い直し、地方分権のより一層の推進を望む声は大きな流れとなっている。
 このような国民の期待に応え、国と地方との役割を見直し、国から地方への権限移譲、地方税財源の充実強化等地方公共団体の自主性、自律性の強化を図り、二十一世紀に向けた時代にふさわしい地方自治を確立することが現下の急務である。
 したがって、地方分権を積極的に推進するための法制定をはじめ、抜本的な施策を総力をあげて断行していくべきである。
 右決議する。

平成5年6月3日                   衆議院


 地方分権の推進に関する決議

 今日、さまざまな問題を発生させている東京への一極集中を排除し、国土の均衡ある発展を図るとともに、国民が等しくゆとりと豊かさを実感できる社会を実現していくために、地方公共団体の果たすべき役割に国民の強い期待が寄せられており、中央集権的行政のあり方を問い直し、地方分権のより一層の推進を望む声は大きな流れとなっている。
 このような国民の期待に応え、国と地方の役割を見直し、国から地方への権限移譲、地方税財源の充実強化等地方公共団体の自主性、自律性の強化を図り、二十一世紀にふさわしい地方自治を確立することが現下の急務である。
 したがって、地方分権を積極的に推進するための法制定をはじめ、抜本的な施策を総力をあげて断行していくべきである。
 右決議する。

平成5年6月4日                   参議院

金井先生が仰っていたことですが、そもそも時の政権が分権を言い出すのは近い将来政権を失うと予期するようなヨロヨロしている場合であって、確かに両決議の時期もそれを予期してか宮沢政権の最末期のことでありました。
やはり宮沢政権に続く細川政権が短命に終わったことが今に至るまで響いているのでしょう。この「地方分権」が民主党政権期に「地方主権」と呼ばれコトバの上で最高潮となったのも今は昔、巷では「地方守権」とも囁かれているようです。
以下の特集記事でも、かつての「地方分権」の旗手、西尾勝先生がこのように仰っておられますが、郄村薫さんが講演会で仰っていたように、この国の活力の低下を踏まえると今後さらなる「中央集権」、「東京一極集中」が続かざるを得ないのでしょうか。

 地方側はさらに改革を進めようと焦っているように見えるが、しばらくは新たな要求をせず、勝ち取った成果の活用にエネルギーを注ぐべきだ。

 この間の改革で、国の指示通りにやる必要のあった多くの仕事の自由度が拡大した。行政コストの削減や、地域の実情に合ったサービスに変えるといった工夫ができるようになったはずなのに、実例は多くない。住民が成果を実感できれば、さらなる改革を後押ししてくれるだろう。

 惰性で改革を求めても良い結果は出ない。地道な努力を重ねた上で、世論の高まりを待って出直すことが必要だ。

衆議院決議、提案趣旨説明、自治大臣所信表明
http://kokkai.ndl.go.jp/

参議院決議、提案趣旨説明、自治大臣所信表明
http://kokkai.ndl.go.jp/

特集「地方分権20年」

地方分権推進が衆参両院で決議されてから20年を迎えます。特集「地方分権20年」を掲載しました。

当初の熱気失い停滞 一極集中是正は道半ば
http://gyosei.47news.jp/kasumi/2013/06/1457124.php

「権限返上」の自治体も 国は根強い地方不信
http://gyosei.47news.jp/kasumi/2013/06/1457130.php

道州制の議論再燃 地方には慎重論も
http://gyosei.47news.jp/kasumi/2013/06/1457135.php

条例で急勾配の市道整備「坂の街」の課題を克服
http://gyosei.47news.jp/kasumi/2013/06/1457126.php

住民に成果実感させよ 西尾勝・元分権推進委員
http://gyosei.47news.jp/kasumi/2013/06/1457138.php