森鴎外作品集

今晩から朗読「森鴎外作品集」全20回。
もっとも、10回までは「意地と殉死」全10回として既に2013年8月に放送済みです。
その折「是非、NHKに朗読の制作をお願いできないかなぁ、なんて思ってしまいます」と記したことが叶えられた訳で、非常にありがたいことですね。
http://d.hatena.ne.jp/yasu-san/20130901

第1巻 舞姫 ヰタ・セクスアリス  ほか (鴎外近代小説集)

第1巻 舞姫 ヰタ・セクスアリス ほか (鴎外近代小説集)

朗読:佐藤 輝(オフィス天童)、広瀬 修子(元NHKアナウンサー)
テキスト:「鴎外近代小説集 全6巻」(岩波書店 2012年版)

鴎外森林太郎1862年〜1922年)は、27歳の明治21年9月、満4年に亘るドイツ留学から帰朝すると間もなく、文学活動を開始した。この日本陸軍衛生部のホープたる新進気鋭の衛生学者は、翌22年正月から読売新聞に「小説論」、次いでスペイン17世紀の詩人カルデロンの戯曲の翻訳を連載し始めて颯爽と文壇に登場し、批評家・小説家・美学者・外国文学紹介者として第一線に立ち続けることになる(22年春結婚、3月「舞姫」発表、8月「うたかたの恋」、そして翌23年9月夫人赤松登志子と離別)。
一方、公人として日清・日露の戦役の間は軍医部の重要な位置に居て従軍し、戦後明治40年には軍医最高ポスト・陸軍軍医総監に昇進する。〜ただし、日清戦争から帰ってみると、文壇で高山樗牛上田敏らが活躍する中、北九州小倉転任によって中央から切り離されてしまい、35年に2度目の結婚、東京に帰任して再び評論や翻訳にとりかかるも日露戦役で大陸出征、文学活動は中断せざるをえなかった。戦後も人事問題紛糾で公人としての危機に遭遇、使っていた馬丁が旧藩主や軍長老への届け物を途中で横領していたという始末で面目を失い、さらに解雇した馬丁が新任者を脅迫し鴎外は金を与えて引き取らせるなど、生活面の心労も絶えなかった。
ようやく事が収まろうとする42年、再び文藝創作に向き直って、西洋の文物思想を日本語に翻訳して伝え広めるための研鑽努力を怠ること無く、「半日」「懇親会」「追儺」「魔睡」「大発見」「ヰタ・セクスアリス」「鶏」「金貨」「金比羅」の諸篇 〜私小説ならぬ 自身の日常をモデルに想像した世界を物語る作品〜 を発表したのだった。
http://www.nhk.or.jp/r2bunka/roudoku/1601.html